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「令和の台所の新・必需品化を目指す」自動調理鍋ヘルシオ ホットクックの開発(シャープ株式会社)

社会や生活様式が変わる中で、わたしたちの暮らしのあり方そのものも大きく変わってきています。オンもオフも忙しい現代人でも、誰もが手軽に安全に料理をつくって、あたたかい美味しい料理が食べたい。

そんな願いを叶え、栄えある「第9回日本ものづくり大賞経済産業大臣賞」を受賞されたのが、シャープ株式会社中村さん、源さん、森下さん、井岡さん、吉田さん、武田さんの6名です。

シャープ株式会社
設立 1935年
資本金 500,000万円
従業員数 47,621名(連結)
業種 家庭用電気機器の製造・販売
所在地 大阪府堺市堺区匠町1
    大阪府八尾市北亀井町3-1-72(八尾事務所)
#自動調理鍋 #ヘルシオホットクック #Connected #ものづくり日本大賞

業界初の「水なし自動調理鍋」

これまでも社会や生活様式が変わっていく中で、人々の暮らしに寄り添う家電は進化を続けてきました。最近では共働き世帯の増加などライフスタイルの変化に伴い、家事の自動化・省力化を求める声は大きいのが現状です。

しかし、とりわけ「調理」という分野では、まだまだ「勘や経験への信頼」「手作りという美徳」などの価値観が根強く残っていました。特に、台所で長い時間火の番が必要な、日本の食卓には欠かせない「煮る」という調理方法は、まだまだ人の負担が大きいものでした。

そんな中で、誰もが手軽で安全においしい料理を作ることを可能にしたのが、自動調理鍋「ヘルシオ ホットクック」です。

家電にAIを搭載して、暮らしをもっと快適にするスマートライフをすすめるシャープ株式会社の開発メンバーが、鍋に材料を入れてボタンを押すだけで、カレーや肉じゃがなどの多彩なメニューができる魔法のような家電を開発しました。

スマートライフを実現するAIoT(※)家電

AIoT
「AI (Artificial Intelligence:人工知能)」と「IoT (Internet of Things:モノのインターネット」を組み合わせた同社の造語で、シャープ株式会社の登録商標です。​

真の"ほったらかし"への挑戦

そんな想いで開発された「ヘルシオ ホットクック」は、真の“ほったらかし”を実現しました。そのポイントは大きく3つあります。

1.約500種類もの料理が作れる「自動調理」

蒸気、温度、負荷の3つのセンサーを使って食材の分量や状態を検知することができます。
また、独自技術の「まぜ技ユニット」により、まるで人がつきっきりで調理しているように、まぜ方と火加減を自動制御することで、さまざまな調理が可能となりました。
まぜ方は実に330通り以上もあり、冷凍や常温の食材を混在できるメニューもあることも大きな特長です。

異なる食材の種類・分量・状態を検知して、まぜ方や火加減の調整を自動で制御する

2.「無水調理」ができること

水なしで素材の旨みを活かした料理を鍋が自動で行うことができます。内蓋に「旨みドリップ加工」を施すことで、蒸気を水分にして食材に戻すことを実現しました。

3.最大15時間先まで予約できる「予約調理」

鍋に入れた時点で食材が腐敗しないよう、先に火を通し、適温をキープします。また、予約した時間に料理が完成するよう自動制御するうえ、クラウドに接続することで外出先から予約時間を変更することもできます。

まだまだ、特徴はそれだけではありません。

無線LANと接続することで使える独自のクラウドサービスを展開し、ユーザーの利用状況を把握しながら、そのユーザーにあったメニューをおすすめをしたり、ユーザー同士がつながるコミュニティや料理教室の案内をすることもできます。

また、他社サービスや機器との連携の輪を広げながら、購入した後でもユーザーの好みやライフステージに合わせて進化を続けています。

つながり、進化する令和の新しい家電へ

そんな世の中のライフスタイルの変化に合わせて、2015年の発売から機能のアップデートを続ける「ヘルシオ ホットクック」は、2022年3月末で累計出荷台数が50万台に上りました。

今後は、クラウド経由で、さまざまなサービスとの連携を図りながら、世の中の様々な悩みを解決する「食ソリューション事業」への展開を進めていきます。

さらに、介護施設や保育施設など人手不足が課題となる現場においても、貢献できるサービスを提供しながら、調理から社会課題の解決を目指すその姿は、購入で終わりではなく、買ってからもずっと新たな価値を提供し続ける、新しい家電の形を見せてくれるでしょう。

- 受賞者メッセージ -
栄誉ある賞を賜りありがとうございます。ヘルシオ ホットクックは、誰もが手軽に美味しく健康的な食事を作ることができる調理機を目指して開発しました。さらにクラウド接続により購入後もメニューやサービスが増えるなど、お客様に新たな価値を提供し続けます。今後はさらに各種サービスとの連携を拡大し、社会課題を解決する食ソリューション事業を展開していきたいと考えております。


KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]

経済産業省近畿経済産業局は、近畿2府5県(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)における経済産業省を代表する機関であり、経済産業施策の総合的な窓口機関です。年間 1,000 件以上にも及ぶ企業訪問を通じて、未来に向けて躍動する関西企業を発掘し、そんな企業の挑戦を、より良い未来を見据えた変化への「兆し」と捉え、「KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]」として、とりまとめています。

2023年4月に発表された「KIZASHI vol.22『第9回 ものづくり日本大賞編』」では、2023年1月に決定した第9回ものづくり日本大賞受賞者のうち、近畿ブロックから受賞した10案件の取組をご紹介しています。

今回の受賞者の皆様も、それぞれの技術力を存分に活かしながら、その新規性と革新性、豊かな発想力によって、「ものづくり」を通じた様々な社会課題の解決に貢献されている、そんな姿を特集しました。

https://www.kansai.meti.go.jp/1-9chushoresearch/jirei/jirei22.html