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副業・兼業人材と共に取組む「お米のヨーグルト」EC強化プロジェクト(株式会社ヤサカ)

福祉用具のレンタル・販売、介護リフォーム、乳酸菌を活用した「お米のヨーグルト アレルノン」の製造販売など、これからの超高齢社会に向けた事業を幅広く展開している株式会社ヤサカ。

今回は、ECサイトでの販売強化のために、副業・兼業人材を活用された同社の八坂社長にお話を聞きました。

株式会社ヤサカ
設立 1965年
資本金 2,300万円
従業員数 73名(2020年8月1日時点)
業種 販売業
所在地 滋賀県高島市今津町弘川273-10
#デジタルマーケティング #ECサイト #広報戦略 #副業人材 #外部人材 #身近な事例から学ぶ副業兼業人材活用


株式会社ヤサカの副業・兼業人材活用について

-副業・兼業人材を活用したきっかけについて教えてください。 

株式会社ヤサカでは、健康に役立つ乳酸菌を活用した「お米のヨーグルト アレルノン」を製造販売しています。3年前に工場を設立し、事業拡大することにしました。

コロナ前は、販売代理店やスーパー等に訪問して販路開拓をしていましたが、コロナの影響で思うように営業活動ができず、ECサイトでの販売を強化しようと思ったのがきっかけです。

EC販売は開始していましたが、さらに販路を拡大するためには何をすればいいのか、という問題は社内では解決できないと思い、専門家の力を借りようと滋賀プロフェッショナル人材戦略拠点に相談したところ、副業・兼業人材の活用について紹介いただき、試しにやってみようと思いました。

-どのような人材を求めていましたか?

デジタルマーケティングを専門領域にしている方がいいなと思っていましたが、応募いただいた方は全員求めるスキルをお持ちの方でしたので、面接では、一緒に仕事をしたいと思える人かどうかを大事にお話をするようにしていました。
解決方法を提案いただくにあたり、中小企業の目線で寄り添ってアドバイスいただける方かどうかも決め手の一つになったと思います。

今回依頼したTさんは、これまでに中小企業の支援実績があることと、面接でお話ししたときに人柄の良さに惹かれて、この人と一緒に仕事をしたいと思えたので、依頼することにしました。

-新製品開発について、どのようにプロジェクトを進めていきましたか?

Tさんには、最初に製品のコンセプトやそれに対する思い、今後獲得したいターゲット層についてお伝えしてから、ECサイトの売上げ分析をお願いしました。

その後は、オンラインコミュニケーションツールでの情報交換に加えて、毎週のオンラインミーティングで、広報媒体別の売上実績の共有や広報戦略に関するアイディア出しを行いました。副業・兼業人材の方からは、ECサイトの改修だけでなく、ECサイトと連動させたWEB広告についても提案いただいたので、すぐに実践し、効果分析できるように取り組みました。

最初は私とTさんでやりとりをしていましたが、実際の作業段階に入ると広報担当の社員も加わり、社内へのノウハウ移転もできるように、一緒に取り組みました。


報告レポート

-副業・兼業人材活用にあたり、工夫したことや心がけていたことがあれば教えてください。

最初に、広報にかけられる予算規模についてお伝えすることで、Tさんが提案しやすい雰囲気作りを心がけていました。

また、面接の段階から業務内容だけでなく、雑談も交えたコミュニケーションを積極的に行うことで、何でも言い合える関係性となれるように意識していました。

広報戦略についての取組方針が決まると、WEB広報やECサイト改修等の運用面については担当社員に任せることで、社員も意欲的に取り組んでくれたと思います。

-実際に副業・兼業人材を活用されて、変化や成果はありましたか?

中小企業の現場に寄り添いながらも、データ分析結果に基づいた納得できる改善策を提案いただけたので、今後獲得していきたいターゲット層を明確にすることがました。

当初掲げていた売上目標は達成できませんでしたが、数値的なところではなく、Tさんを通してSNSの活用など新しいことにチャレンジできたことがよかったです。

また、業界のことを知らない人が入ることで、製品の見せ方など、柔軟な発想でアイディア出しをしていただけて、私たちにとっても新しい気づきがたくさんありました。

自分たちでは思い浮かばなかったWEB広告のやり方なども学ぶことができ、社内のWEBマーケティングスキルの向上にも繋がっていると思います。

-最後に、副業・兼業人材を活用した感想をお聞かせください。

今回の取組を通して、社内としても自社に足りないところを埋めてくれる副業・兼業人材を活用するという選択が浸透したように思います。活用できる領域があれば、今後も積極的に試していきたいと思います。

自社に足りないスキルを埋めてくれる専門人材と聞くと、すぐに結果を求めてしまうかもしれませんが、成果にこだわりすぎず、まずは一緒に仕事をしたいと思える人と出会えるきっかけと思い、寛容な気持ちで挑戦してみることが大切だと思います。


会社の外観

副業・兼業人材の声
自身の経験やスキルが活かせるデジタルマーケティングの領域で、地域に貢献できるところがいいなと思っていました。今回応募を決めた理由は、取扱製品に興味があったこと、面接で八坂社長とお話をする中で、一緒に仕事をしたいと思えたことが一番の理由です。
こちらからの提案内容を前向きに捉えていただき、社員の方も一緒に作業をする姿勢で前向きに取り組んでいただけたおかげで、楽しく仕事ができました。
 (Tさん/IT企業)


KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]

経済産業省近畿経済産業局は、近畿2府5県(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)における経済産業省を代表する機関であり、経済産業施策の総合的な窓口機関です。年間 1,000 件以上にも及ぶ企業訪問を通じて、未来に向けて躍動する関西企業を発掘し、そんな企業の挑戦を、より良い未来を見据えた変化への「兆し」と捉え、「KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]」として、とりまとめています。


KIZASHI 番外編「2022 副業・兼業人材活用事例集 - 身近な事例から学ぶ 人材と企業の新しい『関わり方』-」

昨今の中小企業経営においては、新事業・新商品開発、新たな販売チャネルの獲得、IT・DX化、事業承継等の様々な経営課題について、社内で対応できる人材を確保しているケースは少なく、専門人材の確保が急務です。

その中で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるリモートワークの進展や大企業による副業の解禁等が、大企業の従業員やフリーランス等の働き方に新たな選択肢をもたらし、中小企業における副業・兼業人材活用の機運が高まっています。

そこで当局では、2023年5月にKIZASHI 番外編「2022 副業・兼業人材活用事例集 - 身近な事例から学ぶ 人材と企業の新しい『関わり方』-」を公表し、副業・兼業人材を活用した先進的な11の取り組みをご紹介しています。

https://www.kansai.meti.go.jp/2sangyokikaku/2022jirei.pdf

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