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攻めの経営戦略として、デジタルマーケティングを基本から学ぶ(奈良スバル自動車株式会社)

奈良県内でスバル車の新車・中古車・部品用品の販売、自動車整備、自動車保険などを取り扱っている奈良スバル自動車株式会社

攻めの経営戦略としてデジタルマーケティングのノウハウを得るため、副業・兼業人材を活用された高木社長にお話を聞きました。

奈良スバル自動車株式会社
設立 1953年
資本金 2,400万円
従業員数 131名
業種 自動車販売
所在地 奈良県橿原市曲川町6-19-17
#デジタルマーケティング #副業人材 #兼業人材 #外部人材 #身近な事例から学ぶ副業兼業人材活用


奈良スバル自動車株式会社の副業・兼業人材活用について

-副業・兼業人材を活用したきっかけについて教えてください。 

私たち販売代理店は、メーカーが掲げる方針やマニュアルに沿って業務を進めますが、そこにオリジナルの取組を追加して、他社との差別化を図っています。

昨今、注目されているITやデジタル技術を用いた新しい販売手法に関心はありましたが、実際に取り組むきっかけがありませんでした。

日頃から経営相談等でお付き合いがあった奈良県プロフェッショナル人材戦略拠点に相談したところ、副業・兼業人材の活用について紹介いただきました。

IT専門のプロ人材からデジタルマーケティングスキルのノウハウを教えてもらいながら社内の人材育成に取り組むことができると思い、活用することに決めました。

-どのような人材を求めていましたか?

依頼する業務はデジタルマーケティングと決めていましたので、ITスキルをお持ちの方がいいなと思っていました。

副業・兼業人材の活用前は、オンラインでのやりとりに馴れていなかったこともあり、リアルで面接をして、実際に週1回職場に来ていただけるかどうかを重視していました。

また、プロフェッショナル人材戦略拠点の担当マネージャーも面接に同席していただき、自分たちでは気づけない視点で雇用条件や経歴に関する質問をしていただいたこともあり、今回依頼したSさんに決めることができました。

-どのようにプロジェクトを進めていきましたか?

Sさんには、週1回職場まで来ていただき、私と幹部2人、担当1人の4人で、ミーティングをしました。

最初の3か月は、自社の概要や社員が日頃から感じている課題等についてお伝えし、現状を理解いただいた上で、目指すゴールについて議論を重ねました。

4か月目からは、担当社員がメインとなり、WEB広告やオンラインでの接客など、Sさんから提案があったデジタルマーケティングの基本を勉強しながら、できることから取組を進めました。

Sさんには、デジタルマーケティングを活用した営業力強化に向けた提案だけでなく、社員のデジタルスキルが向上するよう人材育成についても業務として依頼しました。


打ち合わせの様子

-副業・兼業人材活用にあたり、工夫したことや心がけていたことがあれば教えてください。

副業・兼業人材の活用による達成目標は具体的な数値としては決めずに、最初から期待値を上げすぎないようにしていました。

まずは、お試しで活用してみて、合わなければすぐにやめようという気持ちではじめたことが、結果的にうまくいったと思います。

また、今回依頼したSさんは、わからないことはすぐに相談できる先生のような側面もありましたが、自走化を見据えて最初から期限を決めていたことで、社員も自ら学ぶ意欲を持ち、社内のITリテラシーの向上に繋がったと思います。

-実際に副業・兼業人材を活用されて、変化や成果はありましたか?

今回の取組を通して、デジタルマーケティングの基本を理解することができ、担当社員を中心に、社内のITリテラシーの向上に繋がったことが一番の成果です。

現場では、オンラインツールを活用した営業活動や、マーケティングオートメーション (MA) 導入によりこれまで以上にキメ細かい顧客管理が出来るようになり始めています。

また、副業・兼業人材の方の考え方や外から見た社内の課題など、新たな視点での気づきもあり、自分自身にとってもビジネスの在り方を考える良い機会となりました。

-最後に、副業・兼業人材を活用した感想をお聞かせください。

デジタルマーケティングで成果を出すためには、まだまだ時間がかかると思いますが、最初の一歩を踏み出せるいいきっかけになりました。

やりたいことはあるけれど、社内に知見がない。そのときは、まずは一歩踏み出して、外部の力を借りることも一つだと思います。きっと一緒に解決してくれる人材が見つかるはずです。

副業・兼業人材の声
依頼内容を見たときに、求めているニーズがよくわかり、自身のITスキルを活かせると思い、応募することに決めました。面接をする中で、高木社長の熱意も伝わり、一緒に仕事をしたいと思えたことも理由の一つです。
デジタルマーケティングという新しい取組に対して、高木社長を筆頭に全社が前向きで、やりがいを感じながら取り組むことができました。 
(Sさん/個人事業主)


KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]

経済産業省近畿経済産業局は、近畿2府5県(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)における経済産業省を代表する機関であり、経済産業施策の総合的な窓口機関です。年間 1,000 件以上にも及ぶ企業訪問を通じて、未来に向けて躍動する関西企業を発掘し、そんな企業の挑戦を、より良い未来を見据えた変化への「兆し」と捉え、「KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]」として、とりまとめています。

KIZASHI 番外編「2022 副業・兼業人材活用事例集 - 身近な事例から学ぶ 人材と企業の新しい『関わり方』-」

昨今の中小企業経営においては、新事業・新商品開発、新たな販売チャネルの獲得、IT・DX化、事業承継等の様々な経営課題について、社内で対応できる人材を確保しているケースは少なく、専門人材の確保が急務です。

その中で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるリモートワークの進展や大企業による副業の解禁等が、大企業の従業員やフリーランス等の働き方に新たな選択肢をもたらし、中小企業における副業・兼業人材活用の機運が高まっています。

そこで当局では、2023年5月にKIZASHI 番外編「2022 副業・兼業人材活用事例集 - 身近な事例から学ぶ 人材と企業の新しい『関わり方』-」を公表し、副業・兼業人材を活用した先進的な11の取り組みをご紹介しています。

https://www.kansai.meti.go.jp/2sangyokikaku/2022jirei.pdf