見出し画像

副業・兼業人材の「新しいブレイン」を活用する可能性(一般社団法人キャリアラボ)

若者のキャリア支援を中心に、高校生・大学生向けのキャリアデザイン講座や社会人基礎力養成講座を提供している一般社団法人キャリアラボ

テレワークの普及により働き方の多様化が進んだことをきっかけに、新たな取組として自社の事業理念を見直すために、副業・兼業人材を活用された松田代表にお話を聞きました。


一般社団法人キャリアラボ
設立 2012年
業種 教育サービス業
所在地 大阪府大阪市北区西天満3-5-18 第三新興ビル705
#事業理念の見直し #副業人材 #兼業人材 #外部人材 #身近な事例から学ぶ副業兼業人材活用

一般社団法人キャリアラボの副業・兼業人材活用について

-副業・兼業人材を活用したきっかけについて教えてください。 

新規事業の検討や社内体制の強化等、新しいことに挑戦したいと思っていても、ノウハウがなくなかなか踏み出すきっかけがありませんでした。

コロナを機にテレワークが普及したことにより働き方の多様化が進み、世間においても副業・兼業人材の活用が注目されるようになりました。現在、私たちは企業向けの働きやすい職場づくり支援をしています。その中で、実体験をもって紹介できるように、新たな取組として自社でも副業・兼業人材を活用してみようと思ったのがきっかけです。

はじめての取組ということもあり、副業・兼業人材の方にどのような業務を依頼すべきかわからなかったため、大阪府プロフェッショナル人材戦略拠点に相談しました。

相談の結果、自社の事業理念が定まっていないということに気づき、副業・兼業人材と一緒に事業理念の見直しをすることにしました。

-どのような人材を求めていましたか?

当社の事業理念について一緒に考える人を探していたので、具体的な専門スキルというより、自社の事業内容に共感してくれる人かどうかを重視して面接を行いました。

多くの方からお申し込みをいただきましたが、今回業務を依頼したNさんは、面談のときに自社の事業に関心を持っていただき、具体的な解決策、やり方まで提案いただきました。また、業務改善を専門分野にされているいうこともあり、事業について、外部の視点から情報整理していただけるところも決め手でした。

-どのようにプロジェクトを進めていきましたか?

副業・兼業人材のNさんと社員2名の少人数チームでプロジェクトを立ち上げました。週1回の定例会議で、会社概要や業務内容について説明し、自社の強みがどこにあるのかを一緒に検討していきました。

Nさんには、事業理念の整理とともに、会社説明資料作成も並行してお願いしました。

また、業務内容の整理を進める中で、「会社の事業理念に沿った業務マニュアルを作ることも重要だ」ということが分かり、そこからマニュアル作成にも力をお借りすることにしました。

自社の事業内容が非常に多岐にわたるので、マニュアル作成については他の副業・兼業人材の方にも依頼することとしました。


完成したマニュアル

-副業・兼業人材活用にあたり、工夫したことや心がけていたことがあれば教えてください。

「いかにしてチームの中に溶け込んでもらうか」を意識していました。リモートワークが中心となるため、最初は意思疎通が難しいこともありましたが、定例会議では業務内容だけでなく、雑談を交えたコミュニケーションを積極的にすることで、いい関係性が構築できたと思います。

また、資料作成などの目に見えるアウトプットが出る業務をなるべく早くお任せして、社員にも副業・兼業人材の能力を理解してもらい、受け入れやすい環境づくりを心がけていました。

-実際に副業・兼業人材を活用されて、変化や成果はありましたか?

多様な経験を有する副業・兼業人材の方々が関わってくれることで、今までになかった視点や新しい情報が社内に一気に流れ込んでくることが最大の魅力だと思います。

今まで当たり前と思っていた事務作業についても、全く思い浮かばなかった改善策や新しい視点でアドバイスいただくことで、作業効率化に繋がりました。

副業・兼業人材の方と仕事をしていく中で社員の刺激にもつながり、業務の進め方も変化しました。仕事にも余白が生まれ、その後、副業・兼業人材の方と新規事業の立ち上げもできました。

セミナー風景

-最後に、副業・兼業人材を活用した感想をお聞かせください。

副業・兼業人材と仕事をするメリットや効果を実感でき、現在も複数の人材と仕事をして経営を加速させています。必要なときに専門性を持った人材からアドバイスをいただけるのは、非常に心強いです。

今回依頼した方は、スキルはもちろん、人柄も素晴らしい人でした。結果だけ出たとしても、お互いに気持ちよく仕事ができなければ長続きはしないと思うので、これからも人柄を重視しながら、長期的に関係性が継続できる人材の活用を続けていきたいと思います。

副業・兼業人材を活用する際は、事前にどのような業務を依頼するのか、自社の課題を整理することが重要です。何を依頼していいかわからない方は、まずは地域の経営支援機関等に相談しながら検討するといいかもしれません。

副業・兼業人材の声
運営改善を専門領域にしており、事業理念の見直しという求人内容について自身のスキルが活かせると思い、応募しました。マニュアル作りは、業務内容の理解と多数の関係者との調整が大変でしたが、松田代表の人柄と、既存社員の皆様の協力的な姿勢のおかげで、スムーズに進めることができました。
(Nさん/個人事業主)

新規事業立ち上げのプロジェクトに副業・兼業人材として参加しました。役割分担もしっかりされていて、社員、副業・兼業人材の分け隔てない雰囲気の中で、チームの一員として参加することができました。
 (Hさん/家事代行業)


KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]

経済産業省近畿経済産業局は、近畿2府5県(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)における経済産業省を代表する機関であり、経済産業施策の総合的な窓口機関です。年間 1,000 件以上にも及ぶ企業訪問を通じて、未来に向けて躍動する関西企業を発掘し、そんな企業の挑戦を、より良い未来を見据えた変化への「兆し」と捉え、「KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]」として、とりまとめています。

KIZASHI 番外編「2022 副業・兼業人材活用事例集 - 身近な事例から学ぶ 人材と企業の新しい『関わり方』-」

昨今の中小企業経営においては、新事業・新商品開発、新たな販売チャネルの獲得、IT・DX化、事業承継等の様々な経営課題について、社内で対応できる人材を確保しているケースは少なく、専門人材の確保が急務です。

その中で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるリモートワークの進展や大企業による副業の解禁等が、大企業の従業員やフリーランス等の働き方に新たな選択肢をもたらし、中小企業における副業・兼業人材活用の機運が高まっています。

そこで当局では、2023年5月にKIZASHI 番外編「2022 副業・兼業人材活用事例集 - 身近な事例から学ぶ 人材と企業の新しい『関わり方』-」を公表し、副業・兼業人材を活用した先進的な11の取り組みをご紹介しています。

https://www.kansai.meti.go.jp/2sangyokikaku/2022jirei.pdf