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独自のビジネスモデルに攻めと守りのDXを融合(株式会社インテリックス)

株式会社インテリックスは、オーダーカーテンの企画・製造から販売・施工まで自社での一環体制で高品質と低価格を実現、顧客に寄り添う企業です。

株式会社インテリックス
・設立 1990年
・資本金 1,000万円
・従業員数 332名
・業種 オーダーカーテンの企画・縫製加工・販売・施工
・所在地 和歌山県和歌山市里174-1
#オーダーカーテン業界初のSPA  #スマートオーダーシステム
#ライブコマースへの挑戦

独自のビジネスモデルで高品質と低価格を両立

オーダーカーテン業界としては異例で、商社やブランドメーカーを通さず、国内外の織物・染色工場と直接生産契約し、企画・製造から小売りまでを一貫して自社で行うことで、高品質なオーダーカーテンを低価格で提供。
この特長的なビジネスモデルを武器に、日本各地に次々と直営店であるジャストカーテンをオープンさせているのが、和歌山県にある株式会社インテリックスです。

本記事では、さらに同社が昨今取り組むDX(※)に着目しました。

(※)DX:デジタルトランスフォーメーションの略称。企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。(経済産業省『デジタル・ガバナンスコード 2.0』より)

ジャストカーテン 東京日本橋支店

「守りのDX」生産管理 

同社は2012年に、カーテンの縫製工場での生産管理において、二次元バーコードによる管理を導入しました。
工場で縫製作業を担うパート社員185名全員が一人一台リーダーを携帯し、商品に付与された二次元バーコードを読み取ることで、単一商品レベルでの工程管理を可能としています。

加えて、生産現場にモニターを設置し、進捗状況のリアルタイムでの可視化・共有により「作業の見える化」を図り、進捗管理の意識向上と生産性の向上に繋げています。

「攻めのDX」スマートオーダーシステム

さらに注目すべきは、同社が2021年11月より大手家電量販店と提携してスタートさせた「スマートオーダーシステム」です。
これは、店頭に二次元バーコードを設置し、それを読み込むことで、専門知識を備えたカーテンアドバイザーに、店内からでもスマホからでも気軽にリモート相談ができるという、業界初の革新的な試みです。

特に、スマホを使った自宅からのリモート相談では、実際に部屋の様子や雰囲気などを映しながら、採寸方法や柄の合わせ方を相談ができます。
注文・購入についても、店舗のみならずスマホからでも、好きな時にできるようになりました。

実は、このシステムはインテリックスが抱えていたある問題意識から生まれたもの。オーダーカーテンは、顧客による衝動買いが起きにくく、吟味したうえで購入されるという性質があります。
そのため、販売員は顧客一人ひとりの要望に寄り添いながら、商品を提案していくことが求められます。

同社は、直営店での小売販売に加え、卸売も行っています。
直営店では、オーダーカーテンにまつわる知識が豊富な同社社員が販売し、常にレベルの高い接客を行うことが可能です。 
一方、卸売では、実際に現場で商品を販売する小売店の販売員は、専門の知識を持ち合わせていないため、顧客へのきめ細やかな対応が難しい。これが売上を拡大していく上での大きな障壁となっていました。

そのような中、このシステムの導入により、卸売においても顧客は同社の優秀なカーテンアドバイザーによる専門的なアドバイスを受けることが可能となり、卸売における売上拡大に加え、新販路開拓への大きな一歩となりました。
また、このシステムを通じてスマホから注文があると、商品を読み込んだ店舗と本社工場の双方に受注連絡が入るため、納期の短縮につながるという面も持ち合わせています。

小売店舗に設置されたリモート相談用モニター

「アイデアは原価0円」若い力を育て、業界の先へ

「アイデアは原価0円」と笑顔をこぼす木村社長。そんな社長の溢れ出すクリエイティビティの秘訣はどこにー
「ラクしたいんです」と木村社長。「いかにムダを省いて効率よく仕事ができるかを常に考え、工夫を凝らし続けること」、この木村社長の想いこそが、インテリックスが業界のパイオニアたる一番の原動力となっています。

同社では近年、新卒採用や研修の充実等を通した若手の育成に注力しています。
後継者となる社長の息子の太郎氏は、大手広告代理店に新卒で勤めた後、2018年にインテリックスへ入社。
当時、同社は拡大しつつある国内EC市場への参入を図っていたところ、太郎氏は、広告代理店での経験を存分に活かし、2019年6月にジャストカーテンオンラインショップをオープンさせました。

現在はライブコマースの展開に向けてシステム担当者が主となり取組を進めています。
インスタグラム等のSNSでのライブ配信を通して、会社のイメージアップ・新たな客層へのPRを狙います。
若い力を育て、さらなる成長を続けるインテリックスの今後に注目です。

相談に応じる本社のカーテンアドバイザー



KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]

経済産業省近畿経済産業局は、近畿2府5県(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)における経済産業省を代表する機関であり、経済産業施策の総合的な窓口機関です。
年間 1,000 件以上にも及ぶ企業訪問を通じて、未来に向けて躍動する関西企業を発掘し、そんな企業の挑戦を、より良い未来を見据えた変化への「兆し」と捉え、「KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]」として、とりまとめています。

https://www.kansai.meti.go.jp/1-9chushoresearch/jirei/jireitop.html

2023年1月に発表された「KIZASHI vol.20 『不変と可変 揺るぎない価値観、絶え間ない挑戦』」では、事業環境の変化を前向きに捉え、絶え間ない「挑戦」を続ける中小企業11社に対しインタビューを実施し、その「挑戦(可変)」の裏に宿る、揺るがない「価値観(不変)」を大切にしている姿を特集しています。

https://www.kansai.meti.go.jp/1-9chushoresearch/jirei/jirei20.html



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