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使用済み食用油由来の再生可能エネルギーを生み出すイノベーター(株式会社レボインターナショナル)

株式会社レボインターナショナルは、使用済み食用油をバイオディーゼル燃料にリサイクルを行うことで環境問題の解決に取り組む企業です。

株式会社レボインターナショナル
設立 1999年
資本金 4億8107万5000円
従業員数 69名
所在地 京都府京都市伏見区下鳥羽広長町173番地
#バイオディーゼル燃料 #持続可能社会の実現へ #食用油

使用済み食用油を環境に優しいバイオディーゼル燃料に

株式会社レボインターナショナルは、ふるさとの川や湖を環境汚染から守ろうという趣旨で1995年から活動を開始したボランティア団体が母体。1999年から廃食用油をバイオディーゼル燃料化する事業に取り組んでます。

きっかけは日本のバイオディーゼル燃料の生みの親とも言われる京都大学の清水剛夫名誉教授の指導によりバイオ燃料化技術の研究開発を行ったこと。そこから京都市とともに各家庭や業務店から使用済みの食用油を引き取り、環境に優しい「C-FUEL(シーフューエル)」へのリサイクルを実施。軽油代替燃料化プロジェクト推進に向けて、環境問題の解決に取り組んでいます。

今回は、取締役の東裕一郎さんにお話を伺いました。

株式会社レボインターナショナル 取締役 東裕一郎さん

B100(※)のバイオディーゼル燃料「C-FUEL」 

同社が開発・製造している「C-FUEL 」は、使用済み食用油(天ぷら油等)にメタノールを加え、化学反応を起こしグリセリンを取り除くことで精製される100%バイオディーゼル燃料です。自治体や他社と比べても、生産能力に長けており、日量30,000ℓの生産が可能な国内最大のプラントを備えています。また、「C-FUEL 」製造の際に生まれるグリセリンについてもプラント稼働の為の燃料として100%再利用しており、ゼロエミッション(自然界への排出ゼロ)のシステム構築をしています。

C-FUELの製造プラント

2005年に同社社長の越川哲也氏が「C-FUEL 」を使用してレースに出場しようと元F1レーサーの片山右京氏に声を掛けたところ、環境改善啓蒙活動に取り組んでいた片山氏の思いと合致。
2007年に「リスボンダカールラリー」にて、「C-FUEL 」100%使用車で完走。バイオディーゼル燃料で同レースを完走したのは当時世界初となり「C-FUEL 」の性能の高さを世界に告知することができました。

※B●●
 軽油に対して●●%バイオディーゼル燃料が配合されている燃料

他企業や地域とも密接な連携を

同社は2022年3月2日、代替航空燃料「SAF(サフ)(※)」の国産化を目指し日揮ホールディングス、全日本空輸、日本航空と共同で有志団体「ACT FOR SKY (アクトフォースカイ)」を設立しました。同団体は国産SAFの商用化や普及、拡大に取り組んでいきます。

また、京都府内の小学生を対象に児童の環境保全への意識向上を目的として、実際に小学校に出向き、「C-FUEL」の製造工程の授業や「C-FUEL」を燃料とするカートの試乗体験などを通じて、環境保全を身近なものとして意識してもらうよう取組を継続しています。

環境啓発活動の様子

(※)SAF
バイオマスや廃食用油など原料の生産・収集から、製造、燃焼までのライフサイクルでCO2排出量を大幅に削減し、既存のインフラをそのまま活用できる持続可能な航空燃料

ACT FOR SKY

次世代に繋がるバイオディーゼル燃料の普及で持続可能な社会へ

今後、前述したB100の「C-FUEL 」については、リフトなど産業用機械の燃料として展開していき、軽油にバイオディーゼル燃料を5%混合したB5の燃料を車両走行用、重油と混合した物は船舶用の燃料として活用を予定しています。

また、次世代型バイオ燃料の製造開発にも取り組んでいます。次世代型バイオ燃料とは、石油と組成の異なる従来のバイオディーゼル燃料とは違い、軽油など石油由来燃料と同様の炭化水素組成のため、現在のエンジンシステムそのままで使用することが可能です。

これらの取組を推進していくことで、同社はオープンイノベーションをベースに、未来の人々が夢を持てるサスティナブル社会を目指していきます。


KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]

経済産業省近畿経済産業局は、近畿2府5県(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)における経済産業省を代表する機関であり、経済産業施策の総合的な窓口機関です。
年間 1,000 件以上にも及ぶ企業訪問を通じて、未来に向けて躍動する関西企業を発掘し、そんな企業の挑戦を、より良い未来を見据えた変化への「兆し」と捉え、「KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]」として、とりまとめています。

2022年12月に発表された「KIZASHI vol.19 『社会課題解決とともに成長する企業 – シリーズ:2025の先に待つ未来を描く 02 -』」では、社会の様々な課題を解決し、人々が快適に暮らすことができる社会を創ろうと奮闘する企業を特集しています。


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