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社会の変化を捉え、オンリーワン塗装技術で街を彩る​(株式会社光栄プロテック)

独自の塗装技術を持つ株式会社光栄プロテックは、先代から受け継がれる技術を基に、顧客からの新たな要望にも向き合うことで塗装のバリエーションを拡大してきました。全社一丸となって築き上げた実績は、「街中で自社の塗装を見かけることが誇らしい」といった社員の自信につながっています。

株式会社光栄プロテック
設立  :1985年​
資本金 :1,000万円​
従業員数:28名​
業種  :​⾦属製品・製作⾦物の特殊表⾯塗装
所在地 :〒573-0131 大阪府枚方市春日野2丁目2−12​
#意匠塗装 #技術を将来へつなげる #人的投資 #人づくりで始まる未来づくり


職人が生み出す​唯一無二の塗装の表情​

株式会社光栄プロテックは、建築商材の金属製品などに対し高級感のある塗装を施す金属特殊塗装事業者です。建物の顔となる出入口建具やエレベーター建具、天井のほか、電車車両など、日常の様々な場面を独自の塗装技術で彩っています。すべて職人による手作業で生まれる「塗装の表情」が同社の強みです。同社に展示されているサンプルからも、塗装技術による質感の違い、見る角度による輝きの変化など細やかな塗装の美しさを体感できます。

社内の展示スペース

そうした確かな技術力を武器に、顧客ニーズに真摯に向き合い続け、現在では、関西・中部・関東エリアを中心に全国で数多くの施工実績を持ちます。
塗装の提供先は、エルメスやルイ・ヴィトンなどの高級ブランドから、歴史的な建築物までと、幅広く手掛けています。

Hermès表参道店(同社HP 施工事例より)

中小企業は世の中が厳しい時こそチャンス、成長の契機に​

​同社は1985年の設立後、バブル崩壊・リーマンショック・コロナ禍など多くの社会の荒波に直面しました。
そのような局面をどのように乗り越えてきたのでしょうか。​

「中小企業は世の中が厳しい時こそ積極投資」と社長の三田さんは語ります。例えば、大手企業の土地取引が鈍くなることをチャンスと捉え、工場や設備を導入するなど、今後の事業拡大のための体制を整えてきました。
売上が落ち、厳しい時期だからこそ先を見据えた投資をすることで、顧客の信頼獲得につなげてきました。​

同社の独自技術である「硫化いぶし色仕上げ」が生まれたのも、バブル崩壊後の苦しい時期でした。
硫化いぶし色仕上げが表現するアンティークな美しさは、本来銅合金でしか表現できないものでしたが、試行錯誤を重ね、銅合金より安価なスチールやステンレスなど汎用材への応用を実現させました。

「コストはかけられないが、高級感のある仕上げにしたい」というニーズに応えたことで、新規顧客の獲得も実現しました。

硫化いぶし色仕上げの施工事例​ (京都府 新風館のエレベーター)​

「人」を守り育てる​

同社の開発精神・独自技術を支えているのは「人」を大切にし、人材投資を惜しまない姿勢です。三田さんは自身が病で倒れた経験を踏まえ、社員の健康を考えた経営に力を入れてきました。

コロナ禍においても、知人の料理教室の先生に協力を依頼し、社員食堂をオープンさせました。味噌から手作りするなど、レトルト等を使わない無添加・手作りにこだわった食事で社員の健康を内側から守っています。​

また、将来を見据え、人材の確保と育成にも積極的に取組んでいます。
コロナ禍では、リモートでの会社説明会・採用面接を積極的に行ってきました。誰もが参加しやすい環境で自社の魅力を丁寧に発信できた​ことで、新卒採用にもつながりました。​

しかし、職人による手作業は、マニュアル化が難しく、人材育成には長い時間が必要です。
近年では、OJTの活用や、可能な限り技術を明文化することを通して、再現可能性を高めるための取り組みを進めています。

社長の三田さん(右から2番目)と社員の皆様​

技術と信頼を​将来につなげていく   ​

同社は、営業担当者が顧客の要望に叶う塗装イメージを職人に忠実に伝えることを心がけ、職人と二人三脚で顧客に真摯に向き合い続けることで、困難なニーズにも適応し、信頼を積み重ねてきました。
そのように挑戦を続けることで、職人の手作業による素晴らしい塗装技術が培われてきました。

そして今、三田さんの「社員の健康を考え、大切にする経営を土台に、塗装技術への誇りと顧客の信頼に応える姿勢」が若い社員に引き継がれようとしています。​

2023年度の新入社員は「塗装というより、『光栄プロテックの塗装』が好きで入社を決めた」と話します。
そうした若手の熱い想いを受け、三田さんも「当社に入社してくれた社員の期待を裏切らないような会社運営をしたい」と、さらなる飛躍を目指しています。 ​


KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]

経済産業省近畿経済産業局は、近畿2府5県(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)における経済産業省を代表する機関であり、経済産業施策の総合的な窓口機関です。年間 1,000 件以上にも及ぶ企業訪問を通じて、未来に向けて躍動する関西企業を発掘し、そんな企業の挑戦を、より良い未来を見据えた変化への「兆し」と捉え、「KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]」として、とりまとめています。


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