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メーカーの要は「人」​(株式会社をくだ屋技研)

株式会社をくだ屋技研は、創業以来、磨き続けたポンプ技術を活かし、工場や物流センターで使用されるハンドリフトなどの物流機器を製造販売しています。

株式会社をくだ屋技研
設立  :1954年​
資本金 :9,650万円​
従業員数:126名(グループ全体242名)​
業種  :荷役運搬機械および環境機器製造販売​
所在地 :大阪府堺市美原区丹上263
#CarrierDesign #人的資本経営 #従業員の自発的な挑戦 #人づくりで始まる未来づくり



地域からはばたく​運搬機器メーカー

「現場でモノを動かす際の困りごとをライバルに」という考えのもと、現場が抱える課題に寄り添い、その解決を目指して真摯に製品開発に取り組む姿勢が評価され、「はばたく中小企業・小規模事業者300社」などこれまでに多数のアワードを受賞しています。​

同社が長年、小型荷役運搬機器のトップランナーであり続ける背景には、「和は人格を形成し、研究は会社発展の基礎である」という理念を従業員が主体的に解釈し、仕事に取り組む仕掛けが関係している。
ここでは、具体的に3つの取組を紹介します。​

「和」と「想い」を中心に据えた経営理念を体現​

1つ目は、同社のアイデンティティを表している「Carrier Design」(キャリアデザイン)の策定です。
従業員からの発案によるもので、「運ぶ人(Carrier)​」や「環境」に優しい空間を創出・提案する企業でありたいという想いが込められています。

同社は、「人材力」を自社の強みとして掲げ、メーカーの要は「人」であり、営業のみならず、開発や製造においても仕事に人間性が表れると考えます。
全ての力の基軸に「人」が存在するという考えが、同社の上記理念を従業員が主体的に解釈し、「Carrier Design」というアイデンティティに表現されています。​

2つ目は、本社屋内に構えたショールームカフェ「OKUDAYA BASE」です。
商談や、従業員間の交流・休憩スペースに活用され、これまでの自社製品や、当時の書類を展示しています。
この「OKUDAYA BASE」は、理念を形にして伝えることを目的に生まれたものです。

OKUDAYA BASE

代表の奥田さんは、完成時に初めて目にしたほど、一切関与しておらず、什器、提供するコーヒーの調達やネーミング、設計に係る予算管理までをコアメンバーが行い、 「OKUDAYA BASE」を完成させました。
従業員が主体的に理念を解釈し、形にした空間です。​

3つ目は、従業員ユニフォームの刷新です。
定年延長の話題など、エイジフリーな働き方を全従業員に自分事として捉えてもらうために、同社の理念である和を尊び仕事を続けるほど人格が磨かれ形成されるように、使い込むほど味が出るデニム生地のユニフォーム製作に着手しました。
その想いのもと、各従業員にユニフォームをオーダーメイドで支給するなど、従業員のモチベーションを向上させる取組を実施しています。​

作業ユニフォーム&試着室

「理念」を自分事できる仕掛け​

いずれのアクションにおいても、役員ではなく若手・中堅の従業員をコアメンバーとして選抜しています。
役員は、目的やコンセプトを摺合わせるだけで、一切の過程や表現方法は彼らに一任しているといいます。​

また、コアメンバーの人数は3人にしています。
3という数は、奥田さんの経験則で、人数が多すぎると多数決になり、他方2人にすると、意見が分かれた場合、決断が困難になるためです。
さらに、3人のうち1人は、次のプロジェクトでもコアメンバーとして残り、理念やコンセプトを次代に継承する工夫がなされています。​

​「理念」や「自社らしさ」を​会得していく風土  ​

世代を超えて、従業員間で「理​念」や「自社らしさ」が言葉や形として繰り返し発信することで、社内全体に浸透し、その重要性の理解が深まっています。
また、新事業展開等の意思決定で、従業員の自発的な挑戦と試行錯誤を促す仕組みを整えています。
その効果として、プロジェクト終了後には、従業員自身が成功体験や達成感を得て、自信を高める循環が生まれています。​

「たゆまない研究・開発は社会にも大きく貢献し、企業の発展と共に個人にも幸福をもたらす。」という想いのもと、常に運ぶ現場に心から寄り添いお客様の成功につながる製品開発を重ねることにより、主力事業を発展・深化させています。
さらに、新たな取組に関しては、従業員が主体的に挑戦と試行錯誤を繰り返し、「理念」や「自社らしさ」を会得していく風土が、脈々と受け継がれています。​

株式会社をくだ屋技研は、これからも、「和」や「研究開発」の大切さ、そして「従業員の幸せ」を経営の中心に掲げ、現場の困り事 に果敢に挑戦し続けます。​


KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]

経済産業省近畿経済産業局は、近畿2府5県(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)における経済産業省を代表する機関であり、経済産業施策の総合的な窓口機関です。年間 1,000 件以上にも及ぶ企業訪問を通じて、未来に向けて躍動する関西企業を発掘し、そんな企業の挑戦を、より良い未来を見据えた変化への「兆し」と捉え、「KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]」として、とりまとめています。


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