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オンリーワン技術で​世界の道路交通に革新を​(株式会社創発システム研究所)

株式会社創発システム研究所は、道路関連技術でオンリーワンビジネスを展開し、世界に貢献する企業です。
ニッチな分野で世界のトップを目指すため、オンリーワン製品にこだわり、常にイノベーションを起こし続ける社長の中堀さんに、挑戦にかける思いを伺いました。

株式会社創発システム研究所
設立  :2000年​
資本金 :4,000万円​
従業員数:20名​
業種  :道路分野の換気制御システム及び交通計測システムの
     設計・開発業務​
所在地 :兵庫県神戸市中央区浪花町64番地三宮電電ビル3階A-2​
#道路関連のオンリーワン製品 #インバータ換気動力盤 #レーザーセンサ#人づくりで始まる未来づくり


道路関連のオンリーワン製品で国際貢献​

​同社は道路トンネルの換気を行う、ジェットファンのインバータ(※)制御システムを世界で初めて実用化し、国内外から高く評価されています。
そんな同社は近年、高速道路のレーザ式車両検知器の展開を進めています。​

(※)インバータ
ジェットファンを可変速運転させることができ、稼働の効率を高める制御手法。

インバータ換気動力盤内部​

若手・中堅社員の柔軟なアイデアで製品開発​

新製品開発に積極的に取りくむ同社の特徴的な取組の一つが、若手・中堅社員5、6人で構成するチームによる研究・開発活動です。
社員は就業時間の20%を、このチームでの会議や開発・実験に費やすのですが、これらの場では部長クラスは発言を控え、若手の自由な発想に任せているといいます。
当初、テーマ案はすべて社長が提示していましたが、近年では「これをやってみたい」と社員からもアイデアが出てくる​ようになりました。​

また、インバータの新モデルの開発を進めた新入社員が後に営業にも携わるようになり、新規の大型受注に繋げたというエピソードからも覗えるように、中堀さんは社員のアイデアや情熱を尊重し、成功失敗に関わらず、まずはやってみることで得るものがあると確信しています。​

業界ニーズに新手法で対応​

道路関連技術に強みを持つ同社が、高速道路業界からの相談を受けて製品化にこぎつけたのが、高速道路のレーザ式車両検知器です。

従来高速道路の車両検知器は路面に電線を埋め込むループコイル式が主流でした。
精度は十分ですが、路面を車が走ることで劣化が早まり、取り替え工事の際に道路を掘り起こすため、車線規制の必要があることが難点でした。

代替としてカメラや超音波を用いた車両検知器​も検討されてきましたが、天候や昼夜に左右され、精度が十分ではありませんでした。
そこで同社が開発したのが、側道に取り付けるレーザ式車両検知器です。

天候によらずループコイル式と同等の精度を実現し、さらにループコイル式より安価で耐久性が高く、メンテナンスコストも低い点が特徴です。
こうした利点が評価され、2023年時点全国で約200台が導入されています。

レーザー式車両検知器(交通量計)​

世界市場への果敢な挑戦​

独自技術を活かして時流を見極めた製品開発を続ける同社ですが、日本の道路は建設から維持・管理の時代を迎え、今後市場の縮小が予想される中、国内のみに目を向けていてはいけないと危機感を感じています。
そこで同社は海外で新たな市場を獲得すべく、調査を進めてきました。

従前も道路トンネル関連技術をネパールやフィリピンへ展開する等、海外展開を行ってきた同社が近年注目する国のひとつ​が、ベトナムです。  ​

バイク利用者の多いベトナムではトンネル内で排ガスが充満し、バイクドライバーの健康被害が懸念されています。
トンネル内の一酸化炭素(CO)濃度が高いため換気制御をバイク交通量と連動させる必要がありますが、トンネル内のカメラではバイク交通量を計測できません。

そこで、同社はベトナム政府の協力を得て、レーザ式車両検知器の点群データによる世界初のバイクの交通量検知を成功させました。
現在、この車両検知器を取り入れた換気制御システムの開発を進めています。​

点群処理イメージ(2022/11/30~12/3実施 サイゴン川トンネル計測データより)​

同社はさらに、人材の面でもグローバル化の目線を欠かしません。
外国人材は、自国の発展に寄与したいとの思いから仕事に対する熱意が殊更強く、会社を盛り上げる存在だといいます。
また、社内での英語教育にも力を入れ、世界の市場で活躍するための土台づくりを進めています。​

「小さい市場でも最高の技術が必要」と話す中堀さんは、オンリーワンの技術を磨き続けてきたことで、「創発システム研究所ならば解決してくれるはず」と国内外から声が掛かる強みも実感しています。

社員の熱意とアイデアを力に、そのチャンスを確実に掴み、今後もさらなる事業拡大へ繋げていく同社の挑戦から目が離せません。​


KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]

経済産業省近畿経済産業局は、近畿2府5県(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)における経済産業省を代表する機関であり、経済産業施策の総合的な窓口機関です。年間 1,000 件以上にも及ぶ企業訪問を通じて、未来に向けて躍動する関西企業を発掘し、そんな企業の挑戦を、より良い未来を見据えた変化への「兆し」と捉え、「KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]」として、とりまとめています。