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関西バッテリーだよりDENCHY 関西蓄電池人材育成等コンソーシアム事務局対談【前編】- バッテリー産業の未来(2)-

こんにちは。近畿経済産業局 次世代産業・情報政策課です。

今回の関西バッテリーだより-DENCHY- では、「関西蓄電池人材育成等コンソーシアム」の事務局による対談を2回にわたってお届けします。

一般社団法人電池工業会(BAJ)の髙田さん、一般社団法人電池サプライチェーン協議会(BASC)の鈴木さんへ、ともにコンソーシアム事務局を務める近畿経済産業局(以下、局)がインタビューを行いました!


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#関西バッテリーだよりDENCHY #バッテリー人材育成  


注目されるバッテリー業界

(高田さん)
リチウムイオン電池は日本で発明された技術で、1990年代以降ビデオカメラ、ノートパソコン、携帯電話等、生活に欠かせない様々なデバイスに採用されています。

さらに現在、これらの用途に加えて、電気自動車用途や、再生可能エネルギーで発電した電気を家庭、商業施設、工場等で安定的に使うためにバッテリーを充電 / 放電する用途(定置用蓄電システム)でも、カーボンニュートラルの観点から大きく注目されています。

(一社)電池工業会(BAJ) 総務・調査担当部長 髙田さん

(鈴木さん)
太陽光・風力発電など、時間や天候に発電量が左右されるクリーンエネルギーを無駄なく、効率的に使用するための定置用蓄電システムの需要は今後さらに拡大していくでしょうね。

(局)
カーボンニュートラルの考え方が浸透してきたことが、転換点と言えそうです。

(鈴木さん)
それだけではなく、デジタル化社会の実現に向けて、今後国内にデータセンターの設置が進むことが予想されます。クリーンエネルギーの需要はさらに加速され、蓄電池が果たすべき役割もより一層高まると思っています。

(一社)電池サプライチェーン協議会 事務局長 鈴木さん

バッテリー業界のこれからを支える人材

(髙田さん)
2022年に経済産業省が公表した蓄電池産業戦略では、当時20数GWh(年間)だった製造能力を2030年には約7~8倍に拡大するという挑戦的な目標値が示されました。2021年度以降実施された、国からの様々な投資や補助金などの支援金額の累計は、2024年度時点でなんと1兆円を超える規模です!
これら公的資金の活用含め、多くの国内電池メーカーで現在、投資が活発に行われています

(鈴木さん)
バッテリー産業は、電池製造メーカーだけでなく、電池に使う資源を扱う商社から部素材の製造メーカー、電池のリサイクラーまで、幅広い業種の企業がサプライチェーンの一翼を担っていて、他の分野で有名な企業が、実はバッテリーに関わる事業にも携わっているケースは多々あります。バッテリー産業全体が一丸となり、共に成長することが日本のバッテリーの競争力強化につながります。

たくさんの人にバッテリー産業の魅力を知ってほしい、と語るお二人

(局)
製造能力の拡大に際して、活躍が期待される人材像はどのようなものですか。

(髙田さん)
例えば新規製造ラインの立ち上げに際しては、日本の強みである高い品質を維持しつつ、生産稼働率を効率よくスピーディーにアップさせることが重要で、それは生産技術やオペレーションに携わる人材の腕に掛かっています。各社で今、 OJTでの人材育成の取組が活発化しています。

(鈴木さん)
バッテリーと聞くと化学系のイメージがどうしても付きまといますが、今後、製造能力を急拡大していく中で、電気、機械、情報を専門とする方々の活躍できるフィールドが大きいことはぜひ知ってもらいたいです。

バッテリーは未来社会の基盤となる産業なので、世の中の変化を肌で感じながら働きたい、未来を変えたい、という思いを持った方にバッテリー産業の魅力を伝え、興味を持ってもらうことがまずは大切と考えています。 サプライチェーンの裾野も広いので、理系だけでなく文系の方々にも興味を持ってもらいたいですね。

コンソーシアムが描く未来

(髙田さん)
バッテリーは生活になくてはならない”縁の下の力持ち”です。さらなる軽量化、長寿命化、低コスト化等、最先端の技術開発が進んでいて、これからもバッテリーは進化し続けます。学生の頃からバッテリーを身近に感じてもらい、「バッテリー産業に携わりたい」という熱意をもって学びと関心を深め、就職してもらうことが理想です。

(鈴木さん)
生活の利便性向上と、カーボンニュートラル達成の両方に貢献できるクリーンな技術であるバッテリーの魅力を、より多くの学生の方に知っていただくために、コンソーシアムの活動を広く展開していきたいです。

(局)
コンソーシアムの活動を通じて育成したバッテリー産業の未来を担う人材が、また次の人材を育てていくような好循環が繋がるよう、取組を進めていきたいですね。

To be continued...

次回、関西蓄電池人材育成等コンソーシアムについて、立ち上げ時の秘話、コンソーシアムにて作成したバッテリー教材に込められた想い等をご紹介します。お楽しみに!

Key Person Message

動かせ、未来を。」これが蓄電池業界の合言葉です。未来社会を創るカギであると同時に、技術的にもまだまだ進化する可能性を秘めた蓄電池。「社会を変えたい!」という意欲がある方が活躍できる業界です。ぜひ我々の仲間に入っていただき、一緒に蓄電池で未来を動かしましょう!


(一社)電池サプライチェーン協議会 事務局長 鈴木 一裕氏

関西バッテリーだより-DENCHY-とは

GX・DX等の実現にかかせない様々なイノベーションを支える基盤として、長期的な成長が見込まれるバッテリー(蓄電池)産業。

経済産業省は2022年8月に「蓄電池産業戦略」をとりまとめ、2030年までに国内150GWh(年間)のバッテリー製造能力を確保する等の目標を打ち出し、バッテリー関連企業が集積している関西エリアで「関西蓄電池人材育成等コンソーシアム」を立ち上げました。

これから益々の盛り上がりが期待されるバッテリー産業ですが、基盤産業であるからこそ、一般の目に触れる機会が少なく、その魅力が十分に認知されていないと考えています。

そこで近畿経済産業局では、未来を担う若い世代を含め、多くの方にバッテリーの魅力を“やわらかく”お伝えしたいという想いから「関西バッテリーだより - DENCHY -」をスタートしました。

今後も、様々なゲストへのインタビュー記事も順次お届けしますので、ぜひご覧ください!

関西蓄電池人材育成等コンソーシアム(近畿経済産業局HP)
関西バッテリーだより - DENCHY - バックナンバー(近畿経済産業局HP)