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副業・兼業人材とともに、奈良県に初出店の新店舗立ち上げを実現!(株式会社オカザキ紀芳庵)

地域貢献ナンバーワンを目指し、お土産物・食料品の卸売及び地元農産物を使用したオリジナル商品の企画開発を行っている株式会社オカザキ紀芳庵

コロナの影響による売上げ減少を機に、新たな販路開拓のため新店舗を立ち上げることを決意し、副業・兼業人材を活用された岡崎社長にお話を聞きました。

株式会社オカザキ紀芳庵
設立 1988年
資本金 1,000万円
従業員数 27名
業種 観光土産品の卸売、企画開発
所在地 和歌山県橋本市高野口町大野1807-16
#新店舗立ち上げ #副業人材 #兼業人材 #外部人材 #身近な事例から学ぶ副業兼業人材活用


-副業・兼業人材を活用したきっかけについて教えてください。 

コロナ禍によって観光客が減り、当社の売上は厳しい状態になっていました。そこで新たな販路先として、これまで少しずつ準備を進めていた新店舗の立ち上げを本格的に考えるようになりました。

しかし、これまで店舗を立ち上げた経験もなく、何から取り組めばいいのかわからなかったため、わかやま産業振興財団(和歌山県プロフェッショナル人材戦略拠点)に相談したところ、副業・兼業人材の活用について紹介いただきました。

新店舗の立ち上げだけでなく、店舗運営を長期的なスパンで考えてみると、外注で丸投げするのではなく、専門性を有した副業・兼業人材に関わっていただくことで、自社においてもノウハウを学べると思い、副業・兼業人材を活用することを決めました。

-どのような人材を求めていましたか?

店舗オープンの時期を決めていたので、短期間(3か月)で準備を進められるように新店舗立ち上げ経験のある人がいいなと思っていました。

求人を出すと10人以上の方から応募があり、経歴やスキルなど優秀な方ばかりで選定に苦労しましたが、新店舗の現場責任者も面接に同席してもらい、一緒に仕事したいと思える人かどうかを意識して選定しました。

今回依頼したWさんは、広告代理店勤務で店舗立ち上げのノウハウを有していたこと、店舗立ち上げエリアである奈良に土地勘があったこと、そして面接の段階からオープンまでの具体的なスケジュールや工程を提案いただけたことで安心して任せられると思い、依頼することにしました。

-どのようにプロジェクトを進めていきましたか?

現場責任者とWさんで打合せをして、出店場所や取扱商品など、当社の目指す方向性について知ってもらうことからはじめました。

ただ、店舗詳細は決まっていなかったので、Wさんに市場分析を依頼し、その分析結果を踏まえながら商品ターゲットや店舗コンセプトについて、一緒に考えました。

具体的な店舗イメージができた後は、運用面については現場責任者に任せていましたので、責任者とWさんが中心となって店舗オープンまでに必要な作業を進めてもらいました。

また、Wさんには、全体の進捗管理だけでなく、広告代理店勤務のノウハウを活かして、広報物の作成や店内の内装のブランディングもお願いしました。

奈良県に立ち上げた新店舗

-副業・兼業人材活用にあたり、工夫したことや心がけていたことがあれば教えてください。

最初に、Wさんに対しては、当社は店舗立ち上げの経験がないので、リードしてほしいということをお伝えしました。何から取り組めばいいのかわからないので、どう指示していいかわからないと正直にお伝えすることで、Wさんに求めていることを明確にできたと思います。

また、副業人材と関わる担当者に裁量がないと確認作業に時間がかかり、限られた時間の中で業務を遂行することが難しいと思っていましたので、初期段階から現場責任者に入ってもらうことで、スムーズにプロジェクトを進めることができたと思います。

-実際に副業・兼業人材を活用されて、変化や成果はありましたか?

Wさんがいなかったら、奈良という知らない土地で、当初予定していた観光シーズンまでに店舗をオープンしたいという思いを実現することができなかったと思います。全体の進捗管理のもと、必要な作業についてアドバイスいただけて本当に感謝しています。

また、ターゲット層に応じたチラシやポップアップの作成など、広報に関するテクニックやノウハウは今後の店舗運営において活かせると思うので、社員にとっても今後の財産となるような学びを得ることができたと思います。

-最後に、副業・兼業人材を活用した感想をお聞かせください。

専門スキルを持った人材の採用が難しい地域において、副業・兼業人材を活用する価値はあると思います。採用となるとコストがかかりますが、比較的低コストで、短期間のお試しで活用できることも副業・兼業人材のメリットだと思います。

自社で解決できない課題に対して、解決に向けた強みを持つ専門人材の方が関わっていただけるのは非常にありがたいです。

今後は、社内のデジタルスキル向上のために、DXやAI分野に専門性を有する副業・兼業人材を活用して、社内の人材育成に力を入れていきたいと思います。

奈良・和歌山を中心としたオリジナルのお土産商品を多数展開

副業・兼業人材の声
依頼内容が新店舗の立ち上げということで、本業の広告代理店業務のスキルを活かしながら新しいことに挑戦できると思い、応募しました。また、新店舗のエリアが地元の奈良ということもあり、地元に貢献ができる点も決め手になりました。
社員の皆様も、一緒に伴走していただけたおかげで、計画どおりに、店舗のオープン準備を進めることができたと思います。
(Wさん/広告代理店勤務)


KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]

経済産業省近畿経済産業局は、近畿2府5県(福井県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県)における経済産業省を代表する機関であり、経済産業施策の総合的な窓口機関です。年間 1,000 件以上にも及ぶ企業訪問を通じて、未来に向けて躍動する関西企業を発掘し、そんな企業の挑戦を、より良い未来を見据えた変化への「兆し」と捉え、「KIZASHI[関西おもしろ企業事例集 - 企業訪問から見える新たな兆 (きざし)]」として、とりまとめています。

KIZASHI 番外編「2022 副業・兼業人材活用事例集 - 身近な事例から学ぶ 人材と企業の新しい『関わり方』-」

昨今の中小企業経営においては、新事業・新商品開発、新たな販売チャネルの獲得、IT・DX化、事業承継等の様々な経営課題について、社内で対応できる人材を確保しているケースは少なく、専門人材の確保が急務です。

その中で、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によるリモートワークの進展や大企業による副業の解禁等が、大企業の従業員やフリーランス等の働き方に新たな選択肢をもたらし、中小企業における副業・兼業人材活用の機運が高まっています。

そこで当局では、2023年5月にKIZASHI 番外編「2022 副業・兼業人材活用事例集 - 身近な事例から学ぶ 人材と企業の新しい『関わり方』-」を公表し、副業・兼業人材を活用した先進的な11の取り組みをご紹介しています。

https://www.kansai.meti.go.jp/2sangyokikaku/2022jirei.pdf